
工事現場での施工管理において、プロジェクトを計画通りに安全かつ効率的に進めるためには、「いかに工程表をうまく活用するか?」という点が重要になります。
しかし現場では、「工程表の更新が追いつかない」「紙やExcelでの共有に限界を感じる」といった課題も多く見られます。
そこで本記事では、施工管理における工程表の役割や種類、工事規模別の使い分け方を解説していきます。さらに、工程表の作成・更新を楽にする施工管理アプリについてもご紹介します。
ぜひ参考にご覧ください。
- 1.施工管理における工程表の重要性と役割
- 2.施工管理の「4大管理」とは
- 3.工程表の具体的な役割
- 4.施工管理でよく使われる工程表
- 5.①:バーチャート工程表
- 6.②:ガントチャート工程表
- 7.③:曲線式工程表(工程管理曲線/出来高累計曲線)
- 8.④:ネットワーク工程表(PERT/CPM)
- 9.【工程表の使い分け】3つのポイント
- 10.1. 指定された形式に従う
- 11.2. 規模・工期・工種の複雑さで選ぶ
- 12.3. 把握したい内容で選ぶ
- 13.工程表を有効活用するにはデジタル管理が鍵
- 14.工程表の作成も楽々!施工管理アプリ「KANNA(カンナ)」
- 15.工程表の作り方と便利な機能
- 16.DXトータル支援サービス「DEN-UP」でさらに便利に!
施工管理における工程表の重要性と役割
工事を計画どおりに進めるためには、作業ごとの予定や進捗を見える化することが求められます。その際に活用されるのが工程表です。
工程表とは、工事の着工〜完了までに必要な各工程をまとめたスケジュール表のことで、必要な作業を可視化し、人員配置や資材・機械の手配の他、工期や予算を守るための管理ツールとしても活用されます。
施工管理の「4大管理」とは
そもそも施工管理には、「工程・原価・品質・安全」の4つの要素をまとめた「4大管理」と呼ばれる基本概念があります。この施工管理の4大管理のうち、工程表は特に、工事を計画通り進めるために全体のスケジュールを管理・調整する「工程管理」において中心的な役割を担っています。
【関連記事】工事の工程管理とは?工程表の作成手順や効率化に役立つツールの導入方法
工程表の具体的な役割
工程表の具体的な役割は、次の3つの点に集約されます。
【工程表の具体的な役割】
- 計画を可視化し関係者と共有すること
- 遅れを予測し納期を守ること
- リスクとコストを最小化すること
工程表は単なるスケジュール表としてだけでなく、現場全体のマネジメントを支える役割も果たしているのです。
施工管理でよく使われる工程表
工程表にはさまざまな種類があり、目的によって「スケジュール管理」「進捗の把握」「依存関係の整理」など、得意とする分野が異なります。
施工管理の現場では、特に次の4種類の工程表が多く用いられています。
業務内容と目的について、具体的に見ていきましょう。
【施工管理でよく使われる工程表】
| 工程表 | 特徴・目的 |
|---|---|
| ①バーチャート工程表 | 工事の日付・必要日数が把握できる |
| ②ガントチャート工程表 | 進捗率・作業内容・期間が把握できる |
| ③曲線式工程表 (工程管理曲線/出来高累計曲線) |
曲線で進捗具合が把握できる |
| ④ネットワーク工程表 (PERT/CPM) |
工程の依存関係が把握できる |
それぞれの特徴について、以下で詳しく見ていきましょう。
①:バーチャート工程表
バーチャート工程表とは、工事を実施する期間と必要日数の把握に特化した工程表です。縦軸が作業内容、横軸が日時で、作業に必要な日数を横向きの棒(バー)で示します。
スケジュール管理や進捗の把握に向いており、「どの作業が・いつまで行われるのか」を直感的に理解することができます。
②:ガントチャート工程表
ガントチャート工程表とは、進捗率・作業内容・期間の把握に特化した工程表です。縦軸に作業内容を、横軸に進捗率を採用するのが一般的です。
バーチャート工程表と似ていますが、バーチャート工程表が「スケジュール管理」に適しているのに対し、ガントチャート工程表は「進捗状況の把握」に適しています。
③:曲線式工程表(工程管理曲線/出来高累計曲線)
曲線式工程表(工程管理曲線)は、作業の進捗状況を曲線で示す工程表です。
縦軸に工事の進捗率、横軸に日付を取った工程表で、通常、工期の進捗は最初と最後が緩やかで、中期が急速に進んでいくため、線の形状がS字曲線になります。そして、この形状から「Sカーブ」や「バナナ曲線」とも呼ばれています。
曲線式工程表の特徴は、工期に対する進捗率の把握が一目でわかるので、作業遅延の兆候にいち早く気づくことができる点です。また、工事の進捗状況が許容範囲内かどうか把握できるようにするため、実際のデータに加えて、補助線として許容限界曲線を上方と下方に引くこともあります。
縦軸の進捗率を出来高累計とする場合、「出来高累計曲線」と称するケースがありますが、特徴としては同じで、工期に対する累積的な進捗状況が把握できます。
④:ネットワーク工程表(PERT/CPM)
ネットワーク工程表とは、工程の依存関係が把握できる工程表です。作業を一つのマスとして、それぞれの作業の順序や依存関係を線で結んだものとなっています。
作業現場では並行して進められる作業が複数あり、進め方の組み合わせにも複数の経路が存在します。そして、「どの作業が並行して進められるのか?」「完了までの最短・最長ルートはどれか?」といった作業の関係性を検討する際に、このネットワーク工程表が活用されます。
この経路を考える際に最も重要なのが、「工事のスタートからゴールまで、もっとも時間がかかる最長経路がどれか?」という視点です。この最長経路を「クリティカルパス」といい、クリティカルパスを把握することで、どの作業を優先すべきか判断します。
なお、ネットワーク工程表の中でも、作業にかかる期間が確実でなく、全体の関係性を把握することを目的とした計画表を「PERT(Program
Evaluation and Review Technique)」といい、作業期間が確定しており、コストを最小限に抑えることを目的とした計画表を「CPM(Critical
Path Method)」といいます。
【工程表の使い分け】3つのポイント

ご紹介したように、工程表にはそれぞれ得意分野があり、現場の規模・目的・求められる精度によって最適な形式が異なります。
ここでは、現場で工程表を活用する際に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
【工程表を活用する際に押さえておきたい3つのポイント】
- 指定された形式に従う
- 規模・工期・工種の複雑さで選ぶ
- 把握したい内容で選ぶ
1. 指定された形式に従う
まず大前提として、工程表の形式が発注元や元請けから指定されている場合は、その形式に従うことが基本です。
「発注元⇒元請け⇒電気工事会社…(下請け=電気工事会社のケース)」という仕事の流れの場合は、元請け側が工程表の形式を指定するケースが多い傾向にあります。
一方で、「発注元⇒電気工事会社…(元請け=電気工事会社のケース)」という仕事の流れの場合は、自社の管理しやすい形式で工程表を作成することが一般的です。
2. 規模・工期・工種の複雑さで選ぶ
工程表は、工事の規模と内容に合ったものを選ぶのが大切です。
短期間で比較的シンプルな工事であれば、バーチャート工程表が最も扱いやすいでしょう。日程と作業内容が一覧できるため、現場全体のスケジュールを把握しやすいのが特徴です。
中規模・中期の工事では、ガントチャート工程表が役立ちます。バーチャートに進捗率の概念が加わるので、実績と計画を比較しながら作業の遅れを管理することが可能になります。
さらに、大規模で複数の工種が関わる複雑な工事では、ガントチャート工程表に加えて、ネットワーク工程表(PERT/CPM)を併用するのが効果的です。作業同士の依存関係を明確にし、全体の最適化を図ることができます。
【規模・内容別で選ぶ工程表】
| 規模・内容 | 工程表 |
|---|---|
| 短期・単純工事 | バーチャート工程表 |
| 中規模・中期工事 | ガントチャート工程表 |
| 大規模・複雑工事 | +ネットワーク工程表(PERT/CPM) |
現場の規模に合わせて、工程表の「解像度(情報量)」を変化させるのがポイントとなります。
3. 把握したい内容で選ぶ
工事の規模に加えて、工程表を使って何が知りたいのか、把握したい内容がわかる工程表を選ぶことも重要です。
進捗管理を重視する場合は、ガントチャート工程表や曲線式工程表が役立ちます。作業の進み具合を視覚的に確認でき、遅延傾向を早期に察知することができます。
そして依存関係を重視する場合は、ネットワーク工程表を活用します。並行して進む作業や優先順位を明確にできるため、全体調整がしやすくなります。
【目的別で選ぶ工程表】
| 目的 | 工程表 |
|---|---|
| 日程・スケジュール重視 | バーチャート工程表 |
| 進捗の見える化重視 | ガントチャート工程表・曲線式工程表 |
| 工程の最適化・依存関係重視 | ネットワーク工程表 |
工程表を有効活用するにはデジタル管理が鍵

精度の高い工程表を作成しても、現場でリアルタイムに更新・共有できなければ、本来の役割を果たせなくなってしまいます。
実際の工事現場では、天候や資材の遅れ、人員の変更など、予定通りに進まないことが日常的に発生し、そのたびに工程表を修正し、関係者と最新情報を共有することが求められます。
こうした課題を解消するのが、工程表の作成に対応している施工管理アプリです。
工程表対応の施工管理アプリを導入すれば、スマートフォンやタブレットから工程表を入力・確認できるため、わざわざ事務所に戻って作業する必要がなく、その場で工程表の更新や共有を即時に反映できます。
また、写真・図面・日報などの情報を一元管理できる機能を備えたアプリなら、工程管理だけでなく、品質・安全・原価といった「施工管理の4大管理」をまとめて効率化することが可能です。
工程表の作成も楽々!施工管理アプリ「KANNA(カンナ)」
施工管理アプリ「KANNA(カンナ)」は、案件別に顧客や物件情報を一括管理する、施工案件の管理アプリです。
工程表機能の他にも、図面や写真などの資料を現場ごとに一元管理でき、さらに、工事の進捗状況を共有するためのチャット機能も備えているため、案件情報の伝達ミスや属人化を防ぐという意味でも効果的です。
工程表の作り方と便利な機能
施工管理アプリ「KANNA」での工程表作成はとてもシンプルで、登録した案件一覧から、工程表を作成したい案件を選ぶだけでガントチャート形式(バーチャート形式)の工程表が完成します。
一般的な施工管理アプリの機能に加えて、工程表オプションをご契約いただくことで、「依存関係」機能もご利用いただけます。
工事間の依存関係が視覚的に表現されるため、案件内の各工事の順番が一目で分かるようになる他、工期変更した場合には依存関係を設定している後ろの関連工事も自動的に修正されるため、手作業で工期を修正する必要がなくなり、業務効率が向上します。
さらに、計画と実績の進捗率を比較し、遅延時にアラート通知してくれる機能や、休工日や休日などの特定の日をまとめて除外し、実際の作業日だけを表示することができる「穴あき機能」もご利用いただけます。
DXトータル支援サービス「DEN-UP」でさらに便利に!

DEN-UPは、電気工事会社様に寄り添い、課題やお悩みをDXで解決するためのトータル支援サービスです。異なる機能を持つ以下のアプリケーションをまとめてご利用いただけます。
- 施工管理に役立つ「KANNA」
- 写真管理ができる「PhotoManager」
- 人材育成を支援する「電気工事のまなび場」
DEN-UPなら、各ツールで登録した案件を紐づけて管理・閲覧できる「DEN-UP
ConnecT」という独自機能を使ってKANNAとPhotoManagerを連携させることにより、案件情報と現場の写真を一元管理することも可能です。
「DXに興味があるけど、何から始めればいいのかわからない」「直感的に使用できる、操作しやすいツールでDXを進めたい」とお考えの電気工事業者様は、電気工事にまつわる業務の効率化と生産性の向上、人手不足解消に役立つDXツール・DEN-UPの導入をぜひご検討ください!
