
技術士や電気工事施工管理技士など現役の技術者や、将来的にこれらの資格取得を目指す若手技術者が、最新の知識や技術を習得し続けるための「CPD(継続教育)制度」。
今回は、電気工事の技術者や企業がCPD制度に取り組むことの重要性について解説します。また、制度の基礎知識や、CPDの具体的なメリット、登録方法・取り組み方もまとめて紹介していきます。
「CPDって具体的にどんな仕組み?」「取り組むとどんな良いことがあるの?」と疑問をお持ちのかたは、ぜひ自社の技術力向上や案件受注のヒントとしてご覧ください。
- 1. 電気工事におけるCPD制度の基本
- 2. CPD制度の概要と目的
- 3. 電気工事施工管理技士も対象に
- 4. CPDSとの具体的な違い
- 5. 電気工事におけるCPDの登録と単位取得の流れ
- 6. 登録手数料・年会費の目安
- 7. 企業がCPD制度を導入するメリット
- 8. メリット①:公共工事の落札率がアップする
- 9. メリット②:経営事項審査(経審)の評価アップに直結する
- 10. メリット③:企業の信頼性を客観的に証明できる
- 11. メリット④:人材育成ができる
- 12. 個人の技術者がCPD制度に取り組むメリット
- 13. メリット①:スキルアップと最新情報のキャッチアップ
- 14. メリット②:市場価値を高めてキャリアアップに活かす
- 15. CPDは電気工事の未来を切り拓く投資
- 16. 電気工事のDXトータル支援サービス「DEN-UP(デンナップ)」
電気工事におけるCPD制度の基本
まずは、CPD制度の定義や、電気工事分野における昨今の動向について確認していきましょう。
CPD制度の概要と目的
CPD(Continuing Professional
Development)とは、直訳すると「継続的な能力開発」のことです。簡単に言えば、資格を取得した後も、知識や技術をアップデートし続けるための活動とその記録の仕組みです。
セミナーの受講や講習会への参加、論文の執筆などが「CPD単位」として数値化され、技術者が「常に最新の技術を学び続けているか」を客観的に証明するための指標となります。
資格には更新制度がないものも多いため、CPDは自己研鑽し続けている技術者とそうでない者を区別する重要な役割を担っています。
電気工事施工管理技士も対象に
以前は土木や建築分野がメインだったCPDですが、2018年4月より「電気工事施工管理技士」や「管工事施工管理技士」も本格的に対象となりました。
これにより、電気設備の現場に携わる多くの技術者が、自身の専門知識や技術力の向上を公的に証明できるようになったのです。
CPDSとの具体的な違い
CPDと似た「CPDS(Continuing Professional Development
System)」という制度があり、これは主に土木施工管理技士を対象としたシステムです。
一般社団法人全国土木施工管理技士会連合会が運営する固有のプログラムですが、現在は多くの団体で単位の相互承認が進んでいるため、電気と土木の両方の現場に関わるかたは、自身のメインとなる団体を確認して登録することをおすすめします。
電気工事におけるCPDの登録と単位取得の流れ
CPD制度は、電気学会や各施工管理技士のCPD協議会など、多くの団体がそれぞれ運営しています。まずは、自身の資格や業種に該当する団体で登録を行い、その後、学習した時間や内容に応じて「単位(ポイント)」が付与される仕組みです。
定められた単位を取得すると、1年間の学習記録が記載された「CPD証明書」や「CPD活動履歴(台帳)」が発行されます。これが入札やプロフェッショナルとしての証明に活用されます。
【CPD制度の登録・単位取得の流れ】
-
制度を選択する
自身の資格や業務に合った団体を選びます。
例)一般社団法人 電気学会 - 会員登録・ID取得
各団体のホームページから登録を行い、個人のIDを取得します。 - 講習・セミナーの受講
認定されたプログラムを受講し、単位を申請・蓄積していきます。
講習会以外にも、eラーニングや実務経験が単位として認められるケースもあるため、まずは各団体のガイドラインをチェックしてください。
また、単位申請には「受講証明書」や「参加証」などのエビデンス保管が必須です。受講後の証明書はなくさずに保管しましょう。
なお、CPD制度は、これら一連の活動を計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Action)するというPDCAサイクルの考え方がベースとなっています。このサイクルを回し続けることで、技術者としての成長を止めず、高い技術力を維持することが、本質的な目的です。
登録手数料・年会費の目安
CPDに登録するための手数料や年会費は団体によって異なりますが、目安として数百円から数千円程度の費用が発生する場合があります。
詳しくは登録する団体のホームページなどでご確認ください。
企業がCPD制度を導入するメリット

建設会社や電気設備会社がCPDを組織的に取り入れることは、ビジネスにおいて大きな強みとなります。ここでは、企業にとっての主な4つのメリットを見ていきましょう。
【CPD制度を導入する企業のメリット】
- 公共工事の落札率がアップする
- 経営事項審査(経審)の評価アップに直結する
- 企業の信頼性を客観的に証明できる
- 人材育成ができる
メリット①:公共工事の落札率がアップする
公共工事の「総合評価落札方式」では、配置予定技術者がCPD単位を取得していることが加点対象となります。企業の持ち点が上がることで、競合他社に対して優位に立ち、落札率を高めることが可能になります。
メリット②:経営事項審査(経審)の評価アップに直結する
公共工事の受注に欠かせない経営事項審査(経審)においても、CPDは大きなメリットです。
審査項目の一つである「社会性等(W点)」において、CPD単位を一定以上取得している技術者が所属している場合、企業の評価として加点対象となります。個人ではなく、会社全体での技術者一人あたりの平均単位数が評価対象となるため、会社全体で取り組むことが重要なポイントです。
メリット③:企業の信頼性を客観的に証明できる
電気工事の世界は、法改正や省エネ技術、DX化など、技術の進歩が非常に速い業界です。
全社を挙げてCPDに取り組む姿勢は、常に最新基準で施工できる技術集団であるという証拠になり、発注者や施主からの深い信頼獲得につながります。
メリット④:人材育成ができる
自社で独自の研修を組むのが難しい場合でも、外部のCPDプログラムを活用することで、社員に質の高い教育機会を提供できます。最新の安全管理や品質管理を学ばせることは、現場の事故防止や品質担保にも直結します。
個人の技術者がCPD制度に取り組むメリット
CPDは企業だけでなく、技術者個人にとってもメリットがあります。
【CPD制度に取り組む個人のメリット】
- スキルアップと最新情報のキャッチアップ
- 市場価値を高めてキャリアアップに活かす
メリット①:スキルアップと最新情報のキャッチアップ
現場で求められる「工程・品質・安全・原価・環境」の5大管理は、時代とともに変化します。CPDを通じて最新の工法や資材の知識を取り入れることは、作業効率の向上や現場でのトラブル回避に役立ちます。
メリット②:市場価値を高めてキャリアアップに活かす
取得した単位や認定資格は、名刺や経歴書に記載できます。自身のスキルが最新の状態であることを数値でアピールできるため、社内の昇進はもちろん、将来的なキャリア形成において強力な裏付けとなります。
CPDは電気工事の未来を切り拓く投資
CPD制度への取り組みは、企業にとっては受注力の強化、個人にとっては技術力の証明につながります。
電気工事の現場で求められる知識が複雑化する今、いち早くCPDを活用して、業界内での確固たる信頼を築いていきましょう。
電気工事のDXトータル支援サービス「DEN-UP(デンナップ)」

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